私は基本的に、写真を1枚ずつ丁寧に補正しません。プリセットで一括処理して、それで終わりです。1試合で数百枚を扱う以上、そうしないと共有が間に合わないからです。
ただし、そのやり方には例外があります。プリセットだけでは足りない写真が、確かに存在するのです。
この記事では、どういうときに部分調整を使うのか、そして実際にどこをどう動かしているのかをお伝えします。使っているソフトはPhotoDirectorです。
- 集合写真だけは、1枚ずつ確認している理由
- 選択する範囲と、動かす項目・順番
- 「顔だけ明るい」を防ぐための止めどころ
基本はプリセット一括|それでも足りないときがある

息子の1つ下の代の中体連区大会決勝の写真です。ヒットを打ってガッツポーズをして喜んでいる瞬間が撮れました。ただこの日は天気が良くせっかくの笑顔が影で隠れてしまいました。
私の編集は、オリジナルのプリセットを一括で適用して終わりです。露光量、明度、自然な彩度。この3項目を調整したプリセットで、たいていの写真は見られる状態になります。
ところが、それでも顔の表情が暗くて見えづらいことがあります。
原因は、プリセットが写真全体を一律に処理するからです。全体としてはちょうどいい明るさなのに、顔の部分だけ沈んでいる——という状態は、一括処理では解決できません。
こういうときだけ、プリセットで補正したあとに部分調整を加えます。
なぜ「部分調整」でなければいけないのか
ここは、はっきりした理由があります。
通常の調整パネルで数値を動かすと、写真全体の露光量や彩度が変わってしまいます。
顔を明るくしようとして露光量を上げれば、空も、ユニフォームも、グラウンドの土もすべて明るくなります。
それでは全体が白っぽく浮いた写真になるだけで、何の解決にもなりません。プリセットで整えたバランスも崩れてしまいます。
だから、私の中では役割を分けています。
| 対象 | 使うもの |
|---|---|
| 写真全体の調整 | プリセット(一括適用) |
| どうしても気になる部分 | 部分調整(その箇所だけ) |
全体はプリセット、局所は部分調整。この使い分けができていれば、片方を触ってもう片方が崩れるということが起きません。
集合写真だけは、必ず1枚ずつ確認する
部分調整をするかどうか、すべての写真で判断しているわけではありません。数百枚を1枚ずつ見ていたら、時間がいくらあっても足りません。
ただ、集合写真だけは、必ず見て確認します。
| プレーの写真 | 集合写真 | |
|---|---|---|
| 見せたいもの | 動き、プレーの内容 | 顔の表情、全体の雰囲気 |
| 撮り直し | 次の打席、次の試合がある | その日しかない |
| 枚数 | 数百枚 | 数枚 |
集合写真で大事なのは、一人ひとりの顔の表情と、写真全体の雰囲気です。動きを見せる写真ではありません。誰かの顔が暗く沈んでいたら、それだけで残念な1枚になってしまいます。
そして何より、集合写真はその日にしか撮れません。枚数も数枚しかないので、確認する時間もかかりません。
実際の手順|選択する範囲と、動かす項目

私が実際にPhotoDirectorを使用して補正している写真です。顔まわりが赤くなっているのがわかると思います。これが部分補正を行っている箇所となります。
ここからが実際の作業です。
① 選択するのは「顔まわり」だけ
まず、明るくしたい範囲を選択します。私が選ぶのは顔と、首のあたりまでです。
ここで腕など他の肌が出ている部分は、あえて含めません。理由は2つあります。
- 選択範囲が飛び飛びになる。顔と腕は離れているため、まとめて選ぶと境目が不自然になりやすい
- そもそも見せたいのは表情。腕の明るさは、写真の印象をほとんど左右しない
顔から首にかけてはひとかたまりで選択できるので、境目も自然に馴染みます。範囲を欲張らないほうが、結果的にきれいに仕上がります。
② 露光量を、少しずつプラス側へ
選択範囲を決めたら、まず露光量を上げます。ここが明るさの調整の中心です。
大事なのは少しずつ動かすことです。一気に上げると、その瞬間に不自然になります。スライダーを小刻みに動かしながら、表情が見えてきたところを探ります。
③ コントラストで、締まりを戻す
露光量だけを上げると、顔がのっぺりした印象になることがあります。明るくはなったけれど、立体感が失われた状態です。
そこでコントラストを少しプラス側に動かして、締まりを戻します。これも同じく、少しずつです。
④ 彩度で、色味を整える
最後に色の調整です。自然な彩度や彩度を使って、肌の色味を微調整します。
明るさを上げると、肌の色が抜けて白っぽく見えることがあります。その場合は彩度を少し足して、血色のある自然な肌の色に戻します。
逆に、上げすぎて赤みが強く出た場合は下げます。あくまで自然体な形に仕上げることが目的です。
⚠️ 重要ポイント:暗部を持ち上げると、ノイズも一緒に出てくる
影になっている部分を明るくすると、その部分のノイズやざらつきも同時に目立ってきます。上げれば上げるほど、画質は荒れていくということです。とくに屋外の少年野球ではISO感度を上げて撮ることも多いため、この影響は大きくなります。「見える」ところで止めるのは、画質を守るためでもあります。
止めどころは「顔だけ浮いていないか」

最初の写真を補正した写真がこちらです。プリセットで補正後、まだ顔部分が暗くなっていました。なので露光量やコントラスト、そして彩度を調整して自然な仕上がりとなりました。
作業中、いちばん気をつけているのはやりすぎないことです。
顔が暗いからといって、そこだけを大きく持ち上げると顔だけが不自然に明るくなってしまいます。周りの明るさと合わなくなり、切り貼りしたような違和感が出ます。
止めどころの目安は、こう考えています。
- 表情が読み取れるところまで上げる。それ以上は上げない
- 周囲の明るさとの差を見る。顔だけ浮いていないか
- 迷ったら、少し手前で止める。足りないくらいがちょうどいい
作業に集中していると、だんだん感覚がずれてきます。そういうときは補正前の状態と見比べるのが有効です。
元と比べて「ここまで変わっていいのか」と一度立ち止まると、やりすぎに気づけます。
大前提は「記録写真」であること
なぜやりすぎないのか。理由は、この一点に尽きます。
私が撮っている写真は、あくまで記録写真だからです。
自分のための作品でもなければ、コンテストに出すものでもありません。保護者のみなさんに共有するための、その日の記録です。
この位置づけを大前提にしているので、補正の目的もはっきりします。
| 位置づけ | 補正の目的 | どこまでやるか |
|---|---|---|
| 作品として仕上げる | 見栄えを高める | 納得いくまで |
| 記録として残す | 見やすくする | 分かる程度まで |
私がやっているのは後者です。その場の様子が、そのまま伝わればいい。だから実際より明るく作り込む必要はありませんし、むしろ実際と違って見えるほうが問題です。
この基準があると、迷う時間がほとんどなくなります。「これで見えるか」だけを判断すればいいからです。
まとめ:例外を決めておけば、迷わない
写真の補正は、こだわり始めるときりがありません。だから私は基本をプリセット一括にして、例外だけを決めています。
例外は集合写真です。顔の表情が大事で、その日にしか撮れず、枚数も少ない。だからここだけは1枚ずつ見て、必要なら部分調整を加える。それ以外は、プリセットで通します。
- ✅ 全体はプリセット、局所は部分調整。役割を分けると崩れない
- ✅ 選択するのは顔まわりだけ。範囲を欲張らない
- ✅ 露光量→コントラスト→彩度の順に、少しずつ動かす
すべての写真を丁寧に補正しようとすると、続きません。どこに手をかけて、どこを流すか。それを先に決めておくことが、毎週の作業を回すコツだと思っています。
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。現像ソフトの機能名や操作方法はバージョンによって異なる場合があります。
