試合の写真が全体的に黄色っぽくなるのは、土のグラウンドからの照り返しが原因です。腕の問題ではなく、土の上で撮っている限りほぼ必ず起きます。
定番の直し方は、白いものを基準にホワイトバランスを合わせ直す方法です。1枚を正確に仕上げるならこれが確実です。
ただ私が触るのは露光量・明度・自然な彩度の3つだけ。色温度は動かしません。
この3項目をプリセットにして一括適用すれば、1枚ずつ直さなくても見られる状態になります。
この記事でお伝えしたいのは「正しい色に直す方法」ではありません。むしろ逆です。
1枚ずつ色をいじり始めた瞬間に、写真の共有は続かなくなります。何百枚もある試合写真を、どこまで整えてどこで割り切るか。その線引きの話をします。
- 土のグラウンドで写真が黄色くなる仕組み
- PhotoDirectorで実際に触っている項目と、触らない項目
- 「どこまで整えるか」を決めることが、続けるうえで大事な理由
土のグラウンドで撮ると、なぜ黄色くなるのか

息子が中学2年のとき、市外の大会で撮影した補正前のカットです。会場は土のグラウンド。当日は晴れていましたが、全体的に黄色味がかかっています。
原因は地面からの照り返しです。晴れた日の学校グラウンドを思い浮かべてみてください。太陽の光が上から降り注ぎ、その光が赤茶色の土に当たって反射します。
反射した光は当然、土の色をまとった状態で被写体に届きます。つまり子どもたちは、上からの白い光と、下からの黄色〜オレンジの光を同時に浴びているのです。
この下からの光が、白いユニフォームや顔の陰の部分に色をつけます。
撮影中にファインダー越しに見ているぶんには気づきにくく、家に帰ってから初めて分かる、というのがよくあるパターンです。
やっかいなのは、カメラのオートホワイトバランス(AWB)が、これをうまく処理できないことです。
AWBは画面全体の色から光源を推測しますが、望遠で撮る少年野球の写真は、画面の大半が土で埋まることが珍しくありません。
すると、次のようなことが起こります。
- カメラが土の色を光源だと誤解し、補正しすぎて全体が寒々しくなる
- 逆に補正が追いつかず、そのまま黄色く写る
- 構図が変わるたびに判断が揺れ、1枚ごとに色が違う写真が量産される
実務上、いちばん困るのは3つ目です。色がバラバラだと、あとから一括で処理できなくなります。
定番の直し方は「白を基準にホワイトバランスを合わせる」
まず、一般的にすすめられる直し方を整理しておきます。多くの現像ソフトにはスポイトのツールがあります。
写真の中の「本来は白またはグレーであるはずの部分」をクリックすると、そこが白く見えるように色が自動で調整される機能です。
野球の写真なら、白いユニフォームやベースが基準に使えます。ここをクリックすれば、黄色かぶりはかなり取れます。
それでも残る偏りは、色温度(青〜黄色の方向)と色かぶり補正(緑〜マゼンタの方向)のスライダーで整えます。
色かぶり補正が出てくるのは、グラウンドには土だけでなく芝の緑もあるからです。
両方の反射が混ざると、色温度を下げただけでは影の部分に緑みが残ることがあります。そこをマゼンタ側へ少し動かして相殺する、という手順になります。
現像全体の順序としても、ホワイトバランスを最初に合わせるのが定番です。
- ホワイトバランスを合わせて、白の基準を作る
- 明るさを整える(白飛びを抑え、影の中の顔を持ち上げる)
- 質感を調整する(くすみを取る、明瞭度を上げる)
- 必要なら色ごとの調整や部分補正で仕上げる
1枚を正確に仕上げたいなら、この手順がいちばん確実です。作品として残す写真や、引き伸ばして飾る写真なら、私もこの方法を使います。
問題は枚数です。1試合で数百枚、そのすべてにスポイトを当てて色を追い込んでいくのは現実的ではありません。
しかも、あとで書くとおり色温度を動かすと別の問題が出てきます。だから私は、この定番の手順を使っていません。
次に書く3項目だけで、正確さより速さを取るという割り切り方をしています。
PhotoDirectorで実際に触っているのは3つだけ

冒頭に載せた黄色いカットに、私がいつも使っているプリセットを当てたものです。触ったのは露光量・明度・自然な彩度の3項目だけ。色温度は動かしていません。
それでも、白いユニフォームの土気色が抜けているのが分かると思います。
| 項目 | 私の基本値 | 何のために触るか |
|---|---|---|
| 露光量 | +0.11 | 影や曇天で沈んだ写真を、見やすい明るさまで持ち上げる |
| 明度 | +15 | 全体の明るさを整え、暗部の子どもの表情を見えるようにする |
| 自然な彩度 | +20 | 色味を補いつつ、肌の色が不自然に濃くならないようにする |
ポイントは3つ目の「自然な彩度」です。
通常の彩度は画面全体の色を一律に濃くするため、もともと色が強い部分、たとえば日焼けした肌や赤土がさらに濃くなり、不自然になりがちです。
一方、自然な彩度は彩度の低い部分を優先して持ち上げる性質があります。
だから空やユニフォームの色は補われるのに、肌の色は破綻しにくい。子どもを撮る写真とは相性がいい項目です。
色温度と色かぶり補正は、あえて動かさない
触らない項目についても書いておきます。ここが、一般的な色補正の記事といちばん違うところかもしれません。
私は色温度をほとんど触りません。色かぶり補正(ティント)も同じで、基本は動かさないままです。
触らない理由のひとつは、下げすぎると別の問題が出ることです。黄色みを取ろうとして色温度を青側へ動かすと、ユニフォームの白は確かに戻ります。
ところが同時に、選手の顔から血色が抜けて青白くなり、土や芝の色も不自然に薄くなります。
白を優先するか、肌の色を優先するか。どちらかを取ればどちらかが崩れるので、どこで止めるかの判断が1枚ごとに必要になります。これが数百枚だと終わりません。
もちろん、作品として1枚を仕上げるなら話は別です。寒色に振れば凛とした空気が出ますし、暖色に振れば夕方の余韻が強調されます。
そういう表現の余地があることは分かっています。ただ、私のスタンスは「子どもたちの記録写真を残して共有する」ことにあります。
だから調整の判断基準も、作品としての完成度ではなくいかに見やすく、綺麗な状態で提供できるかに置いています。
どうしても両立させたいなら、選手の部分だけを選択して直すという方法もあります。
背景の温かみを残したまま、ユニフォームと肌だけを整えるやり方です。ただ、これも1枚ずつの作業になります。
そのうえで、あえて動かすとすれば暖色寄りです。動かすとしてもごくわずかで、±100K程度。
「暖かい写真にしよう」という調整ではなく、「わずかに寒々しく見えるのを戻す」程度の話です。これは単純に、そのほうが自分の好みだからという理由に過ぎません。
正解があるわけではなく、好みの領域だと思っています。

梶原(管理人)
色温度は、正直いちばん迷い始めると止まらなくなる項目だと思います。
私も一時期、1枚ごとに「もう少し暖かく」「いや寒すぎる」とやっていた時期がありました。
でも数百枚あるうちの1枚に5分かけたところで、見る人はそこまで見ていないんですよね。
それに気づいてから、色温度のスライダーには触らなくなりました。
撮る段階では、ホワイトバランスをオートのままにしている
色補正の解説では、撮影時にグレーカードなどを使ってカスタムホワイトバランスを取る方法もよく紹介されます。
その場の光に合わせて基準を作っておくやり方で、確かに理屈としては正しい方法です。
ただ、私はホワイトバランスをオートのままにしています。理由は2つあります。
- 試合中に光が変わる。晴れ間が出たり曇ったりするたびに取り直すのは現実的ではありません
- 試合中は設定を触らないと決めている。ダイヤルを回している数秒の間にプレーが動きます
もし固定する場合の目安も書いておきます。日中の晴天なら5000〜5200K、ナイターの黄色い照明なら3000〜3600K、体育館なら4000K前後が基準になります。
カメラのプリセットなら「太陽光」「白熱電球」「白色蛍光灯」がおおよそこれに当たります。
同じ理由で、撮影はRAWではなくJPEGです。RAWのほうが色を直す幅は広くなります。
ですが、年間4〜5万枚を撮って当日中に共有する運用では、容量も処理時間も現実的ではありません。
つまり私のやり方は、撮影時は何も合わせず、現像時も色温度を触らず、明るさと彩度だけで整えるという形になります。
月に数回の撮影で1枚ずつ仕上げたい方なら、カスタムWBとRAWのほうが向いています。撮る枚数と、仕上げにかけられる時間で選んでください。
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⚠️ 重要ポイント:多くの保護者は「スマホ」で写真を見ている
共有アルバムを開くとき、ほとんどの保護者はスマートフォンの画面で見ています。
大きなモニターで粗探しをすれば気になる点はいくらでも出てきますが、スマホで見て自然に見えれば、それで十分綺麗だったりします。
仕上げの基準を「自分のPC画面」ではなく「相手のスマホ画面」に置くと、どこまでやるべきかの判断がぐっと楽になります。
1枚ずつ直さず、プリセットで一気に処理する
ここまで読むと「では正しく直さなければ」と思われるかもしれません。ただ、私はそうしていません。
理由は単純で、1試合で数百枚ある写真を1枚ずつ丁寧に補正するのは、現実的に不可能だからです。そして無理にやろうとすると、もっと大事なものを失います。

梶原(管理人)
最初のころは編集もせず、撮って出しでそのまま共有していました。
ただ、その日のグラウンド環境や天候、影の入り方でどうしても薄暗くなっていることがあって。
共有しながら正直「う〜ん……」と思うこともあったんです。
かといって、1枚1枚こだわって編集していたら、何百枚もある写真をとても処理しきれない。
それが原因で共有が遅くなるのは本末転倒だと、いろいろ考えた時期がありました。それで今のやり方にたどり着いたんです。
行き着いた答えが、プリセットで一気に「ある程度」まで持っていくというやり方でした。
先ほどの3項目をオリジナルのプリセットとして保存し、試合ごとに読み込んで一括適用するだけです。
よほど変な写真だけ個別に手を入れますが、そこまでおかしいカットはめったに出ません。
結果として残る作業は選別と多少のトリミングだけになり、作業スピードが格段に上がりました。
逆に言えば、撮影時に設定をコロコロ変えていると、この方式が成立しません。試合中に設定を固定しておくことが、編集の時短にそのままつながっています。
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条件によっては、プリセットだけで足りないこともある

息子の1つ下の代の公式戦、撮って出しのカットです。撮影は午前11時頃。同じ土のグラウンドでも、曇天だと黄色ではなく青っぽく沈みます。
このケースは露光量を少し足すだけで戻せるので、プリセットの範囲内です。本当に手間がかかるのは、1枚の中に日向と日陰が混在している場合です。
同じ土のグラウンドでも、条件が変われば色の転び方も変わります。おおまかな傾向は次のとおりです。
| 条件 | 色の傾向 | プリセットで足りるか |
|---|---|---|
| 晴天・日中 | 土の照り返しで黄色〜オレンジに転ぶ | 足りる |
| 曇天 | 照り返しが弱まり、全体が沈む | 露光量だけ足す場合あり |
| 夕方 | 光そのものが赤くなる | 足りる(無理に戻さない) |
| 日向と日陰が混在 | 1枚の中で明るさと色が食い違う | 個別調整になりやすい |
とくに夕方は、赤みを完全に取ってしまうとその時間帯の空気ごと消えてしまいます。色の転びは「間違い」ではなく、その日の光の記録でもあります。
不自然に見えるところだけ直して、あとは残す。それくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
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まとめ:どこまで求めるかを、先に決める
肌の色が自然で、芝生は綺麗な緑、空は青々としている。写真作品として残すなら、当然そこまで持っていくのがベストです。
ただし、それを実現するには編集の労力と時間が必要になります。要は、どこまで求めるか。どこまでだったらOKと言えるか。
これを先に決めておくことが、今後も苦なく撮影・編集・共有を続けるうえで大事な考え方だと個人的には思っています。
私は劇的な1枚を狙うというより、その試合、その瞬間の記録写真として撮って届けることに重きを置いています。
だから撮る場所も、その構図が取れるところを選びます。色味についても同じ考え方です。
- ✅ 黄色くなる原因は、土の照り返しとAWBの誤判断
- ✅ 定番は白を基準にWBを合わせる方法。1枚を仕上げるならこれが確実
- ✅ 私が触るのは露光量・明度・自然な彩度。色温度と色かぶり補正はほぼ動かさない
- ✅ 撮影時はWBオート、JPEGで撮る。枚数と共有の速さを優先している
- ✅ プリセットで一括処理し、「ある程度」で割り切る
繰り返しになりますが、自分がどういうスタンスで撮影して、どう共有するかによって、こだわる度合いは変わってきます。
大事なのは「どこまでやるか」を先に決めること。決めてしまえば、迷う時間がなくなります。
迷わなくなると、共有が速くなる。それが結局、いちばん喜ばれることでした。
次の試合の写真は、まず露光量・明度・自然な彩度の3つだけを動かしてみてください。色温度に触らなくても、見られる写真になるはずです。
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。現像ソフトの機能名や操作方法はバージョンによって異なる場合があります。詳細は各ソフトの公式情報をご確認ください。
※掲載写真は、個人が特定できないよう加工しています。

