カメラの持ち物リストを見ると、たいてい「予備のSDカードを持ちましょう」と書かれています。容量不足でシャッターが切れなくなったら困る、というのがその理由です。
もっともな話です。ところが私は、10年間、予備のSDカードを持ったことがありません。使っているのは64GBが1枚だけです。
それで一度も困っていません。この記事では、なぜ予備が要らないのか、その理由をお伝えします。カードの話に見えて、実は撮ったあとの運用の話です。
- 1日でどれくらいの容量を使うのか、実際の数字
- 64GBで足りている理由は、容量ではなく運用にある
- 予備を持つより先に決めておきたいこと
使っているのは64GB、1枚だけ

私が愛用している、SDカードとα6600のカメラです。この組み合わせでこれまで何の問題もなく撮影してきました。
私が使っているのは、SanDiskのExtreme PRO、64GBです。書き込み速度90MB/s、読み込み速度170MB/sというスペックのものです。
いまは大容量のSDカードが手に入りやすくなっています。128GB、256GB、512GBといった製品も珍しくありません。
そのなかで64GBというと、「少なくないか?」と心配になる方もいるかもしれません。
結論から言うと、まったく問題ありません。むしろ余りすぎているくらいです。その理由を、実際の数字で説明します。
1日でどれくらい使うのか、数字で確認する
まず、実際の撮影枚数から見ていきます。
私の場合、1試合でシャッターを押すのは700枚前後です。ただし、不要な写真は試合中にどんどん削除しているので、最終的にカードに残るのは400〜500枚程度になります。
大会などで1日2試合を撮ると、保存されるのは約1,000枚前後。ここまでが撮影の実態です。
では、これがどれくらいの容量になるか。
| 項目 | 実際の数字 |
|---|---|
| 1試合で押すシャッター | 約700枚 |
| 削除後に残る枚数 | 400〜500枚 |
| 1試合分の容量 | 約3GB |
| 2試合分の容量 | 約6GB |
| 64GBに入る試合数 | 20試合以上 |
数字にすると、はっきりします。64GBあれば、20試合以上を保存できる計算です。
1日2試合として、10日分。つまり2か月以上カードを空にしなくても足りるということになります。実際にはそんなに溜めませんが、それだけの余裕があるわけです。
この数字を知ると、「予備がないと不安」という感覚のほうが実態とずれていることが分かると思います。
本当の理由は、容量ではなく運用にある

私が使用しているSDカードとHDDです。試合から帰宅したら、SDカードのデータをHDDへ移してフォルダごとに保管しています。
ただ、20試合分の余裕があるからといって、20試合分を溜めているわけではありません。むしろ逆です。
私はその日に撮った写真を、その日のうちに、遅くてもその土日のうちに移し終えます。外付けHDDへの保存と、スマホ経由での転送。この2つを済ませてしまいます。
つまり次の試合が来るときには、カードはほぼ空になっているということです。
ここが本質です。予備が要らない理由は、64GBという容量ではありません。溜めない運用をしているからです。
逆に言えば、データを入れっぱなしにしていれば、256GBのカードでもいつかは埋まります。容量を増やしても、根本的な解決にはならないということになります。
試合中の削除も、容量の余裕を生む
もうひとつ効いているのが、試合中の削除です。
攻守交替の合間などに、明らかに使えないカットを消していきます。ブレている、ピントが抜けている、誰かが被っている、ほとんど動いていない連続写真。こういうものは持ち帰っても使いません。
これによって、700枚が400〜500枚に減ります。約3割の削減です。
この習慣は、もともと帰宅後の編集を楽にするためのものでした。ただ結果として、カードの容量にも余裕を生んでいます。
撮る量を減らしているわけではありません。残す量を絞っているだけです。それでも効果は小さくありません。
10年使って、トラブルは一度もない
もうひとつ、正直にお伝えしておきます。
予備を持たない運用で心配になるのは、容量よりもカードそのものの故障かもしれません。撮影中に読み込めなくなったら、代わりがないわけですから。
ただ、私の場合はこれまで一度も、不具合やデータの読み込みエラーを経験していません。データが消えたこともありません。
撮影中も、連写を多用しても書き込みが追いつかずに止まった、ということはありませんでした。不便に感じたことも、困ったことも一度もないというのが正直なところです。
⚠️ 重要ポイント:それでも、故障の可能性はゼロではない
私が10年トラブルなく使えているのは事実ですが、SDカードは消耗品です。突然読めなくなる可能性はどんな製品にもあります。だからこそ、撮ったデータを長期間カードに置いたままにしないことが大事です。予備を持つかどうかより、早く別の場所へ移すほうが確実な備えになります。カードが壊れても、すでに移してあれば失うものはありません。
予備を持つべき人もいる
ここまで「要らない」と書いてきましたが、誰にでも当てはまるわけではありません。次のような場合は、予備を持つ意味があります。
- 遠征や合宿など、数日間カードを空にできない場合。帰るまで移せないなら、容量は正面から必要になります
- 動画も撮る場合。動画は写真とは桁違いに容量を使います
- RAWで撮っている場合。1枚あたりの容量が大きくなるため、同じ枚数でも消費が早くなります
- 帰宅後すぐに移す習慣がない場合。溜まる前提なら、枚数で対応するしかありません
つまり予備が要るかどうかは、撮り方と運用で決まります。「持つべき」と言われたから持つのではなく、自分の使い方に照らして判断すればいいと思います。
まとめ:カードを増やす前に、運用を見直す
SDカードの予備を持つかどうかは、機材の話に見えて運用の話です。
64GBで20試合分。その日のうちに移せば、次の試合には空になっている。試合中に削除すれば、残る量も3割減る。この流れができていれば、カードは1枚で足ります。
- ✅ 1試合約3GB。64GBなら20試合以上入る計算
- ✅ 予備が要らない理由は容量ではなく、溜めない運用にある
- ✅ 遠征・動画・RAW撮影なら、予備を持つ意味がある
大容量のカードを買うのも、予備を用意するのも悪いことではありません。ただ、その前に「帰ってきたらすぐ移す」という習慣をつけるほうが、効果は大きいと思っています。容量の不安も、データを失う不安も、どちらも同時に減らせるからです。
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。容量の数値は撮影設定(画質・記録形式)によって大きく変わります。製品の仕様や価格は変更になる場合がありますので、最新情報はメーカーの公式情報をご確認ください。

