カメラの情報を調べると、次から次へと「あったほうがいいもの」が出てきます。
カメラバッグ、レンズ数本、一脚、クリーニングキット、ストラップ。全部そろえたら、それだけでかなりの荷物になります。
ただ、10年間少年野球を撮ってきて行き着いたのは、まったく逆の方向でした。持ち物は、減らせば減らすほど撮影が楽になるのです。
この記事では、私がグラウンドに持っていく最小限の装備と、その理由をお伝えします。物欲を刺激する内容ではありません。
むしろ「これだけでいいんだ」と安心してもらうための記事です。
- カメラバッグを持っているのに使わなくなった理由
- 10年間ほぼ変わっていない、基本の3点セット
- もう1本だけ足すときの、レンズ選びの基準
カメラバッグは持っている。でも、使っていない

この写真に写っているカメラ本体、望遠レンズ、予備バッテリーが私が常に準備している持ち物です。そして必要な時だけ単焦点レンズ(SAMYANG)も持っていきます。
正直にお伝えすると、リュック型のカメラバッグは持っています。ただ、ほとんど使っていません。
理由は単純です。少年野球の試合日は、カメラ以外の荷物がすでにたくさんあるからです。水筒、昼食、着替え、子どもの荷物。送迎で行くとなれば、さらに増えます。
そこにもうひとつカメラバッグが加わると、単純に荷物が増えるだけになってしまうのです。グラウンドでの移動も面倒になりますし、置き場所にも気を使います。
撮影に関する記事では「機材をどう守るか」がよく語られます。それも大事なことです。ただ、私にとっては荷物を極力減らすことのほうが、はるかに実用的な工夫でした。
基本装備は、たった3つ
私がグラウンドに持っていくものは、この3つです。10年間、ほとんど変わっていません。
| 持ち物 | 役割 |
|---|---|
| カメラ本体 | APS-C機。首から下げてそのまま持っていく |
| 望遠ズーム 70-350mm 1本 | 換算105〜525mm。試合中はこれ1本で通す |
| 予備バッテリー | ポケットに入れておく。試合時間が読めないため必須 |
これだけです。カメラは首から下げ、予備バッテリーはポケットに。バッグを持つ必要がそもそもありません。
身軽であることの利点は、思っている以上に大きいです。応援席から移動するのも、フェンスの切れ目を探して歩くのも、荷物がなければ気軽にできます。撮影の自由度は、持ち物の少なさに比例します。
レンズ1本で通す|換算105〜525mmがあれば足りる

この写真が、メインで使っている70-350mmの望遠ズーム1本です。APS-C機に付けているので、35mm判に換算すると約105〜525mm相当になります。
そして隣には必要な時だけ準備するSAMYANGの35mm単焦点レンズです。大きさの違いが一目瞭然だと思います。もう1本レンズを用意しても、ほとんど負担になりません。
この望遠ズーム1本で、少年野球の試合はほぼカバーできます。
- 広角側(換算105mm):ベンチの様子、近くの選手、応援席
- 中間(換算200〜300mm):打席、投手、内野のプレー
- 望遠端(換算525mm):外野の守備、二塁付近の走塁
試合中にレンズを交換する必要は、まずありません。ズームリングを回すだけで、ベンチから外野まで届く。これが高倍率ズーム1本主義の強みです。
グラウンドでレンズ交換をしたくない、もうひとつの理由
レンズ1本で通すのには、画角以外の理由もあります。砂ぼこりです。
少年野球のグラウンドは、多くが土です。試合中は選手が走り、風が吹けば砂が舞います。そんな環境でレンズを外すというのは、カメラの内部を外気にさらすということです。
マウント内やセンサーの前に砂やほこりが入り込むと、写真に黒い点として写り込むことがあります。しかも一度入ると、自分で取り除くのは簡単ではありません。
つまり、レンズ交換をしない構成にしておくこと自体が、いちばん確実な防塵対策になります。カメラバッグを持たない代わりに、そもそも開けないという選び方です。
⚠️ 重要ポイント:どうしても交換するときの最低限
やむを得ず屋外で交換するなら、風下に背を向け、マウントを下に向けた状態で手早く行うと、入り込むほこりを減らせます。可能なら車の中など、風の当たらない場所で交換するのが安全です。
もう1本だけ足すなら、基準は「軽さ」
例外的に、もう1本レンズを持っていくことがあります。SAMYANGのAF 35mm F2.8 FEという単焦点レンズです。
APS-C機に付けると35mm判換算で約52mm相当、いわゆる標準レンズの画角になります。
持っていくのは、表彰式や集合写真が必要になりそうだと思ったときだけです。
理由ははっきりしています。望遠ズームは、その名のとおり遠くを撮るためのレンズです。
目の前に整列した全員を1枚に収めようとすると、広角側が足りません。かといって、そのために後ろへ大きく下がるのも現実的ではありません。
なぜこのレンズなのか
正直なところ、性能で選んだレンズではありません。

梶原(管理人)
あまり高価なものではなく、35mmの単焦点レンズが欲しかったときに、たまたま目について購入したレンズです。写りは可もなく不可もなくですね(笑)。ただ、とてもコンパクトで軽いレンズなので、もしもの時に持っていくレンズの大きさとしてはベストです。
この「軽い」というのが、数字で見るとよく分かります。このレンズは全長わずか3.3cm、重さは85.6gしかありません。
フルサイズ対応でありながら、この小型・軽量を実現しているのが特徴です。
望遠ズームが600g台であることを考えると、もう1本足しても、ペットボトルのキャップ数個分ほどの増加にしかなりません。
だからポケットやカバンの隙間に入れておける。「使うかどうか分からないけれど、一応持っていく」が成立するのは、この軽さがあるからです。
ここが機材選びの本質だと思っています。どんなに写りが良くても、重くて持っていかなければゼロ枚です。
逆に、可もなく不可もない写りでも、持っていったから撮れた1枚には価値があります。
手入れは「毎回、表面を拭く」だけ
砂ぼこりの多い環境で使っている以上、手入れは欠かせません。とはいえ、特別なことは何もしていません。
やっているのは、毎回この程度です。
- ブロアーで砂やほこりを飛ばす。レンズ表面、本体の隙間、マウント周辺
- 表面をクロスで拭く。ボディとレンズの外側
- 気になるときだけ、センサー周辺にもブロアーを当てる
ここで大事なのが、いきなり拭かないことです。砂が付いた状態でクロスを当てると、その砂でレンズ表面を削ってしまうことがあります。必ず、まず飛ばしてから拭く。この順番だけは守っています。
逆に言えば、これ以上のことはしていません。高価なクリーニングキットも、専用の薬剤も使っていません。毎回やることのほうが、丁寧にやることより大事だと思っています。
⚠️ 重要ポイント:センサー面の清掃は慎重に
センサーは非常にデリケートな部分です。ブロアーのノズルを内部に深く差し込んだり、先端をセンサーに触れさせたりしないよう注意してください。また、スプレー式のエアダスターは噴射剤が付着するおそれがあるため、カメラ内部への使用は避けたほうが安全です。汚れが取れない場合は、無理に自分で対処せず、メーカーのクリーニングサービスを利用するのが確実です。
まとめ:荷物を減らすことも、撮影の工夫のひとつ
機材の記事というと、どうしても「何を買うか」の話になりがちです。ただ、少年野球の撮影で本当に効いてくるのは、何を持っていかないかという判断でした。
カメラバッグを使わない。レンズは1本で通す。足すとしても、軽さを基準に選ぶ。
この形にしてから、グラウンドでの動きがずいぶん軽くなりました。身軽であることは、そのまま撮れる写真の幅につながります。
- ✅ 試合日は荷物が多い。カメラ用のバッグは増やさない
- ✅ 高倍率ズーム1本なら、レンズ交換も防塵対策も不要になる
- ✅ 2本目を足すなら、写りより「持っていける軽さ」で選ぶ
これから機材をそろえようとしている方に伝えたいのは、最初から全部そろえなくていいということです。
足りないと感じてから足せば、それがその人にとって本当に必要なものになります。
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。製品の仕様・価格・販売状況は変更になる場合があります。機材の手入れ方法については、お使いのカメラ・レンズの取扱説明書に従ってください。センサーやレンズの清掃に不安がある場合は、メーカーの正規サービスをご利用ください。また、価格・仕様は変更になる場合があります。最新情報はメーカーの公式情報をご確認ください。

