夏の炎天下の撮影がつらいのは、想像しやすいと思います。ところが実際にやってみると、冬の撮影も同じくらい、いやそれ以上につらいのです。
しかも冬のつらさは、体全体の寒さではありません。手です。ただひたすら、手なのです。
この記事では、冬の少年野球撮影でなぜ手が問題になるのか、そしてかじかんだ手をどう戻しながら撮り続けるのかをお伝えします。特別な道具は出てきません。
でも、知っているかどうかで1試合の写真の枚数が変わります。
- 冬の撮影で手袋が使えない理由
- かじかんだ手を試合中に戻す4つの方法
- よく言われる「冬のバッテリー問題」の実感
冬の撮影でつらいのは、寒さより「手」

息子が小学5年生だった2月、小学校のグラウンドでの練習試合です。ウォーミングアップの最中に雪が吹き出し、体は冷え、手もかじかみ始めました。
冬の撮影は、何度も経験してきました。そのうえで断言できるのですが、本当につらいです。
体は着込めばなんとかなります。上着を重ね、インナーを工夫し、足元を温める。そこまでは他の保護者の方と同じです。
ところが撮影する側には、他の人にはない条件がひとつあります。シャッターを押す手だけは、どうしても守れないのです。ここから先が、冬のカメラマンの戦いになります。
手袋をつけると、半押しの感覚が分からなくなる
「手袋をすればいいのでは」と思われるかもしれません。私も当然そう考えて試しました。結論から言うと、撮影中に手袋をつけることはできませんでした。
理由は、シャッターの半押しの感覚が分からなくなるからです。
少年野球の撮影では、半押しでピントを合わせて待ち、その瞬間に押し込むという動作を何百回も繰り返します。
この「半分だけ押している」という微妙な力加減は、指先の感覚に頼っています。布一枚が挟まるだけで、その感覚が失われてしまうのです。

梶原(管理人)
手袋をつけると半押しの感覚がよく分からなくなりますし、やはり素手よりもモコモコするので、どうしても普段通りにいかないんです。それでシャッターを押すタイミングがずれてしまったり、最悪、押せていなかったりということも経験しました。
撮影用の指出し手袋や、タッチ操作対応の薄手のものもあります。それでも「普段通り」にならないのであれば、決定的な瞬間を逃すリスクを抱えることになります。
写真を撮りに来ているのに、その写真が撮れなくなる。これでは本末転倒です。だから私は、撮影中は素手を選んでいます。
かといって素手でいると、みるみるかじかむ

同じく小学5年生の冬、雪もちらつく中での試合です。私と同じように、素手で撮影しているパパカメラマンがいました。
では素手なら万事解決かというと、当然そうはいきません。
カメラを構えている間、手はずっと外気にさらされ続けます。しかもグラウンドは吹きさらしです。冷たい風が直接手に当たり続けることになります。

梶原(管理人)
素手のままカメラを持ち続けていると、冷たい風に直接触れるのでみるみる手の体温が下がっていきます。かじかんでしまうと、これもまた感覚が分からなくなったり、細かい動きができなくなったりするんです。
ここが冬の厄介なところです。手袋をしても感覚が失われ、素手でも最終的には感覚が失われる。どちらを選んでも、放っておけば同じ結果になります。
つまり冬の撮影で必要なのは、「守る」ことではなく「戻す」ことです。かじかむのは避けられない前提として、こまめに元に戻す。この発想の切り替えが、私にとっては大きな転換点でした。
試合中にかじかんだ手を戻す、4つの方法
特別なことは何もしていません。それでも、意識してやるかどうかで結果が変わります。
① ちょっとの間でも、ポケットに手を入れる

いちばん基本的で、いちばん効きます。プレーの合間、攻守交替、投手の交代。数十秒でも手をポケットに入れるだけで、指先の感覚がかなり戻ります。
ポイントは、かじかんでから入れるのではなく、かじかむ前にこまめに入れることです。一度完全に冷えてしまうと、戻すのに時間がかかります。
上の写真は、息子が中学2年生の2月下旬に行われた練習試合。この日は気温が10℃を下回り海沿いということもあり風も強い日でした。
守備中にすぐに手がかじかんでしまうので、ほとんどの選手が同じようにポケットに手を入れているのが印象的でした。
② カイロを持っていく
使い捨てカイロを持っていって、合間に握ります。ポケットに入れておけば、①とあわせて効果が高まります。
③ 息を吹きかける
道具がなくてもできる方法です。かじかんできたなと感じたら、手に息を吹きかけて温めます。応急処置ではありますが、撮影の合間の数秒でできるのが利点です。
④ 手のストレッチとツボ押し
これも意外と効きました。指を握って開いてを繰り返したり、手のひらを押したりして動かない手を動かせる状態に戻します。血流を促すイメージです。
ずっと同じ姿勢でカメラを構えていると、寒さとは別に手がこわばってきます。温めるだけでなく、動かすこともセットで考えると、後半まで指が動きます。
⚠️ 重要ポイント:カイロは直接肌に当て続けない
使い捨てカイロは、同じ場所に長時間当て続けると低温やけどの原因になることがあります。握りっぱなしにせず、時々離すようにしてください。また、感覚が鈍っているときは温度の変化に気づきにくくなります。冷えた手にいきなり熱いものを当てるのも避けたほうが安全です。使用方法は製品の注意書きに従ってください。
座って応援するのも、動いて撮るのも、どちらもつらい
もうひとつ、冬の現場で感じていたことがあります。
他の保護者の方は、じっと座って応援されています。動かないぶん体は冷えていきますし、あれはあれで相当につらいはずです。寒さの中でじっとしているというのは、それ自体が消耗します。
一方で撮影する側は、動いてはいるものの、ポケットに手をずっと入れておけず、手袋もつけられない状態で立ち続けます。動いているぶん体は温まりますが、手だけが逃げ場を失います。
つまり、どちらがラクということはありません。形が違うだけで、どちらもつらいのが冬の少年野球です。だからこそ、お互いの大変さを知っておくといいのだと思います。
よく言われる「冬のバッテリー問題」について
冬の撮影というと、必ず「バッテリーの減りが早くなる」という話が出てきます。一般に、カメラのバッテリーは低温で本来の性能を発揮しにくくなると言われています。
ただ、正直にお伝えすると、私自身は冬の撮影でバッテリーの減りが極端に早いと感じた経験がありません。何度も冬の試合を撮ってきましたが、それが理由で困ったことはありませんでした。
ですので、この点については「気にしすぎなくていい、ただし念のため備えておく」くらいの温度感でお伝えしておきます。
予備バッテリーを持っていく習慣があれば、それで十分だと思います。もし気になる方は、予備を上着の内側など体に近いところに入れておくと安心です。
それよりも、冬に本当に困るのは手です。バッテリーの心配をする前に、自分の指が動くかどうかを心配したほうがいいというのが、10年撮ってきた実感です。
まとめ:かじかむ前提で、こまめに戻す
冬の少年野球撮影で本当に困るのは、体の寒さではなく手です。そして手袋という一般的な解決策が、この撮影では使えません。
だからこそ、「かじかまないようにする」のではなく「かじかんだらすぐ戻す」という考え方に切り替えます。ポケット、カイロ、息、ストレッチ。
どれも特別なことではありませんが、意識してやるかどうかで、試合後半に撮れる枚数がまったく変わります。
- ✅ 手袋は半押しの感覚を奪うため、撮影中は使えない
- ✅ かじかむ前に、こまめにポケットやカイロで戻す
- ✅ 温めるだけでなく、手を動かすこともセットで
寒い日のグラウンドで、子どもたちは半袖に近い格好で走っていることもあります。その姿を残せるのは、指が動く人だけです。手を温めることも、立派な撮影準備のひとつだと思っています。
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。防寒具やカイロの使用にあたっては、各製品の注意書きに従ってください。体調に不安がある場合は無理をせず、暖かい場所で休憩を取るようにしてください。

