ベンチの子を撮り逃さないコツは、いい場面を待つのではなく、イニングごとに1回は必ずベンチへレンズを向けると決めてしまうことです。
狙うのは「動き」ではなく「反応」。守備が終わってハイタッチで迎える瞬間、得点が入った直後、円陣、ネクストバッターズボックスでの素振りなどです。
レンズは換算100〜200mm程度まで引いて、連写ではなく一枚ずつタイミングを待って押すほうが表情を捉えられます。
私は撮り始めた頃、帰宅して写真を整理していて「レギュラーの子ばかり写っている」と気づいて愕然としたことがあります。
この記事では、その反省からたどり着いた撮り方と、ベンチにこそある素の表情についてお伝えします。
- ベンチ写真を撮り逃さないためのタイミングと、焦点距離の目安
- ベンチにこそ写る「年齢相応の素の顔」
- プレー写真とベンチ写真の違いと、卒団アルバムでの使い分け
「レギュラーばかり写っている」と気づいた日
試合の撮影を始めた最初のころは、進行している試合を撮ることだけで精いっぱいでした。
どうすればピントが合うか、シャッタースピードはどれくらいがいいか。そこばかりに意識が向いていました。
ある日、帰宅して写真を整理していたとき、ふと違和感を覚えました。「なんかレギュラーの子ばかりだし、同じような写真が続いているな」という感覚です。

梶原(管理人)
当時、息子はまだ野球を始めたばかりでレギュラーではありませんでした。
当然、写真にもほとんど写っていない。同じようにベンチにいる他の子たちも写っていない。
朝から応援や手伝いをしてくれている保護者の方々の写真もない。一保護者として考えても、「これはちょっとおもしろくないな」と感じた瞬間でした。
その日から、ベンチの子どもたちや保護者の撮影も必ず行うようにしました。グラウンドから視線を外してみると、そこにも試合がありました。
ベンチ写真を撮るタイミングとコツ
「ベンチを撮ろう」と思っても、試合中は目が追いつかないことがあります。意識してほしいのは、「動き」よりも「反応」を待つことです。
いい表情が出やすい7つのタイミング
- 守備が終わってベンチに戻る瞬間:みんながハイタッチしながら迎える場面
- 得点が入った直後:ベンチ全員が立ち上がって喜ぶ瞬間
- 監督・コーチの話を聞いているとき:神妙な顔や真剣なまなざし
- 試合前や攻守交替の円陣:気合が入った表情と声を出す姿
- ネクストバッターズボックス:「次は自分だ」と集中して素振りをしているとき
- ベンチでの何気ない動作:タオルで顔を拭く、ヘルメットやボールかごを片付ける姿
- 保護者席からの応援:子どもと同じ表情で一緒に喜んでいる瞬間

中学校最後の公式戦を、応援席から見守る保護者の方々です。選手だけでなく、こうして一緒に戦っている人たちの写真も、あとから見返すと試合の記憶がよみがえります。
「いい場面を待つ」のではなく「必ず一度見る」
タイミングを知っていても、プレーに集中していると忘れます。私がやっているのは、イニングごとに1回は必ずベンチや保護者席へレンズを向けるというルールです。
攻守交替のたびに、グラウンドからベンチへ体ごと向き直る。撮れる場面がなければ、そのまま戻る。それだけです。
「いい場面を待つ」のではなく「必ず一度見る」と決めておくと、撮り逃しがほとんどなくなりました。

公式戦で、攻守が交替するタイミングに撮った一枚です。選手たちがベンチ前に集まって輪になり、監督からの指示を受けながら円陣を組んでいます。
全員が体を寄せ合い、監督の言葉をひとつも聞き漏らすまいと真剣な目をしていました。
この場面は攻守交替のたびに繰り返されます。だからこそ「また円陣だ」と思って流してしまうと、チームの呼吸やその日の雰囲気が写真に残りません。

梶原(管理人)
円陣は毎回あるので「また撮らなくていいか」となりがちなんですよね。でもイニングによって監督の表情も選手の顔も全然違う。
緊迫した場面の後の円陣と、大量リードしているときの円陣では空気感がまるで違います。
「撮り飽きたかも」と思ったときこそ、シャッターを切ると面白い写真が残ります。
打球が来ない子を0枚にしないために
ベンチと同じくらい見落としやすいのが、守備についているのに打球が飛んでこない子です。
プレーだけを追っていると、その日の写真が0枚になってしまうことがあります。
私がやっているのは、守備のイニングが始まったタイミングで、守備位置についた9人を順に撮っておくことです。
構えている姿だけでも1枚あれば、「この試合に出ていた記録」として残ります。打球が来るかどうかに関係なく、全員分が押さえられます。

梶原(管理人)
特に外野の選手は、守備のときにボールが飛んでこないと、どうしても枚数が少なくなってしまうんです。
だから守備についた最初に全員を撮っていったり、試合の途中でも要所要所で順番に撮っていったり。枚数の配慮は意識してやっています。
イニングの最初だけでなく、試合の途中でも要所要所で順番に回すと、1試合を通して枚数が偏りにくくなります。
レンズは引き戻す。連写より一枚ずつ
撮影のコツとしては、換算100〜200mm程度で少し引いた位置から撮るのがおすすめです。
プレー撮影に使う500mm級のままだと、ベンチでは寄りすぎて全体が入りません。望遠ズームを使っているなら、一度ズームを引き戻すのを忘れないでください。
立ち位置にもコツがあります。自分のチームのベンチを自陣側から撮ろうとすると、手前の保護者や荷物、フェンスに遮られやすいです。
試合が折り返したタイミングで相手応援席側に回ると、味方ベンチの中が正面から見えます。
得点が入った瞬間の表情や、監督が指示を出している場面は、この位置でしか撮れません。
ベンチ全体を1枚に入れたいときは、標準ズームに付け替える方法もあります。集合写真や表彰式のために標準ズームを持っているなら、そのまま使えます。
屋根のあるベンチの中は暗くなりがちで、顔が影になることがあります。ベンチは動きの少ない場面なので、露出補正をプラスに振って表情を明るく撮るのが有効です。
ただし戻し忘れると、グラウンドに向き直ったときに白飛びします。撮り終えたら必ず0に戻してください。
また、連写よりも「ここだ」というタイミングを待って一枚ずつ押すほうが、表情を確実に捉えやすいと感じています。
カメラで選手を追いかけ回すのではなく、構図を決めてそこで待つ。プレーと違って、ベンチの表情は一瞬で消えるわけではありません。
ベンチを狙っている間にグラウンドが動くのが心配、という方もいると思います。
片目でファインダーをのぞき、もう片方の目でグラウンド全体を見ておくという方法もありますが、私はたまに使う程度です。
この撮り方だと、ファインダー越しの選手のピントや構図がズレてしまうことがあるからです。
私が基本にしているのは、肉眼で確認してから、すぐファインダーをのぞくというやり方です。
- 攻撃のとき:バッターをファインダー越しに撮ります。塁にランナーがいる場合もバッターに集中しつつ、盗塁したら瞬時に肉眼で走者を確認し、すぐファインダーをのぞいてピントを合わせます
- 守備のとき:ピッチャーを撮るときはピッチャーに集中します。それ以外の場面は基本的に肉眼でプレーを見て、打球が飛んだ方向を確認してから、すぐにピントを合わせます
ファインダーをのぞき続けるのではなく、必要なときだけのぞく。この切り替えのほうが、私には合っていました。
⚠️ 重要ポイント:ベンチ撮影はチームのルールを確認してから
チームや大会によっては、ベンチエリアへの立ち入りや撮影に制限がある場合があります。撮影前に必ずチームの担当者や監督に確認し、ルールの範囲内で撮影してください。
子どもたちが安心して試合に集中できる環境を守ることが最優先です。
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ベンチでこそ見られる「年齢相応の素の顔」
ベンチを撮るようになって分かったことがあります。ベンチの子どもたちも、レギュラーの子どもたちと同じくらい真剣な顔をしているということです。
ピンチのとき、全力でベンチから声を出して応援している姿。得点が入った瞬間、飛び上がって喜ぶ表情。
ファインプレーが出たときに仲間を全力で出迎えてハイタッチする場面。プレー中の写真よりも、むしろグッとくるものがあると感じるほどです。

小学校の公式戦でベンチの様子を撮った一枚です。選手たちが試合を真剣な目で見守りながら、腕を伸ばして全力で指示や声援を送っています。
試合に出ていなくても、表情も体全体も完全に試合の中に入っています。この写真を撮るまで、ベンチにこれだけの「試合」があることに気づいていませんでした。
ファインダーをグラウンドから外してベンチに向けたとき、まったく別の試合写真が撮れたという感覚でした。

梶原(管理人)
腕を伸ばしながら全力で声を出しているこの表情、グラウンドに出ているどの選手にも負けていないと思います。
この一枚を保護者の方に見せたとき、「うちの子こんな顔してたんだ」ってすごく喜んでもらえたのを今でも覚えています。
守備が終わってみんながベンチに戻ってくると、ベンチの子たちが一斉に出迎えます。
そのときのあどけない笑顔や、励まし合いの表情は、試合の流れを追うだけでは絶対に撮れない一枚です。

梶原(管理人)
ベンチを撮るようになって一番変わったのは、試合の見え方でした。それまでは「今どんなプレーが起きているか」だけを追っていたんです。
ベンチに目を向けると「今チームがどんな空気か」が分かるようになった。写真の枚数以上に、自分の見方が変わった感じがします。
プレー写真とベンチ写真の使い分け
試合写真とベンチ写真は、どちらが上というわけではなく、それぞれに違う役割があります。両方を意識して撮ることで、記録としての厚みが変わります。
| 比較項目 | プレー写真 | ベンチ・サイド写真 |
|---|---|---|
| 表情の種類 | 集中・真剣 | 喜び・悔しさ・笑顔・素の顔 |
| 撮影の難易度 | 高め(動体・距離・光) | 比較的撮りやすい |
| 写る子どもの数 | 出場選手中心になりがち | 全員+保護者を網羅しやすい |
| 使う焦点距離 | 換算300〜500mm | 換算100〜200mm |
| アルバムでの役割 | 試合の記録・見どころ | チームの雰囲気・感情の記録 |
| 後で見返したとき | 「あの試合」の記憶 | 「あのチームの空気感」の記憶 |
卒団アルバムやスライドショーには、プレー写真だけでなくベンチ・サイドの写真を混ぜるほうが、見た人の反応がよくなります。
「こんな顔してたんだ」「この瞬間覚えてる」と声が上がりやすいのは、むしろベンチ写真のほうだったりします。
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撮ったベンチ写真を、卒団アルバムで使えるように残しておく方法です。
まとめ:イニングごとに一度、ベンチを見る
試合写真は「あのプレー」を思い出させてくれます。一方でベンチ写真は、「あのときのチームの雰囲気」「あの子のあんな顔」を思い出させてくれます。
卒団のタイミングでスライドショーを作ったとき、一番「見てよかった」と言ってもらえるのは、試合の合間やベンチの何気ない一枚だったりします。
保護者の方も、自分が写っている写真を見てとても喜んでくれます。
- ✅ イニングごとに1回は必ずベンチへレンズを向ける。いい場面を待つのではなく、必ず一度見る
- ✅ 狙うのは「反応」。ハイタッチ・得点直後・円陣・監督の話・ネクスト・ベンチでの何気ない動作・保護者席
- ✅ 守備のイニング開始時に、守備位置の9人を順に撮る。打球が来ない子も0枚にしない
- ✅ 換算100〜200mmまで引いて、追いかけずに待って一枚ずつ。暗いベンチは露出補正をプラスに(戻し忘れに注意)
- ✅ ベンチ撮影の可否は、事前にチームや大会のルールを確認する
次の試合、攻守交替のときに一度だけ、グラウンドからベンチへ体ごと向き直ってみてください。そこにも試合があることに気づくはずです。
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