「打球が飛んだ方向にカメラを向けたら、もう捕球が終わっていた」——少年野球の守備を撮ろうとして、そんな悔しい思いをしたことはありませんか。
私は何年も撮り逃してきました。カメラを向けた時点で、もうプレーが終わっている——その繰り返しでした。
正直に言うと、内野ゴロの捕球は今でも撮り逃します。それでも、ダイビングキャッチの一部始終が全コマ残せた試合があります。しかもそれは、息子が卒業した後に撮りに行った試合でした。
この記事では、その一枚を起点に、守備シーンを撮り逃さないための考え方を実体験からお伝えします。
- ダイビングキャッチの全コマが残せた日に、実際にやっていたこと
- 打球を「目で追う」のをやめたら、守備が撮れるようになった話
- 10年撮り続けてわかった、守備写真がいちばん喜ばれる理由
準決勝のダイビングキャッチは「捕るとわかる前」から撮っていた
守備撮影の話をするとき、私がまず思い出すのが中学の公式戦、春の大会の準決勝での一場面です。
先にお伝えしておくと、この試合、私の息子はもう出ていません。すでに中学を卒業していて、マウンドにも守備にもいない。
それでも私がグラウンドにいたのは、野球部の方から「専属カメラマンとしてぜひ撮ってほしい」と声をかけていただいたからです。
撮っていたのは息子の1つ下の代が3年生になった年の試合。しかも勝てば決勝進出がかかった大事な一戦でした。その緊迫した場面で、レフトに大きなフライが上がったんです。

(撮影データ:α6600+SEL70-350G/換算525mm/SS 1/1000/連写9枚から抜粋)
フライが上がった瞬間にレフトの選手へレンズを向け、ピントが合ったのを確認して連写に入りました。打球を目で追わなかったぶん、捕球体勢に入る前から撮り始められています。
打球を追って全力で走り込む姿、グラブを地面すれすれに差し伸べる瞬間、土煙が上がりながら体ごと飛び込む場面——連写だからこそ、ひとつひとつの動きがすべて残っています。
そしてこのプレー、見事にキャッチしてアウトにした、文句なしのファインプレーでした。
フライが上がった瞬間にレフトの選手にレンズを向け、AF-C+トラッキング(ロックオン)で捕捉し、そのまま連写を切り続けたのが、この写真につながっています。
試合は惜しくも敗れましたが、この大会は3位までが県大会へ進めるルールで、チームは県大会出場を果たしました。

梶原(管理人)
正直に言うと、「ダイビングキャッチを撮ろう」と狙っていたわけではありません。準決勝という緊張感の中で、レフトへ大きなフライが上がった瞬間に頭で考えるより先に体が動いていたんです。「飛び込むかもしれない」と感じながら連写を切り続けて、後で確認したらダイビングのコマが全部残っていて。この写真を保護者LINEで共有したら、みんなから「よくこんなキャッチするタイミングが撮れるね!」って驚かれましたね。
この一枚が教えてくれたのは、「いい場面になってから撮る」のでは間に合わないということでした。
ダイビングは、飛び込んでから撮ろうとしても絶対に間に合いません。結果がわかる前に撮り始めているかどうかが、すべてを分けます。
打球を「目で追う」のをやめたら、守備が撮れるようになった
では、結果がわかる前に撮り始めるには何が必要か。私の場合、変えたのは目線の使い方でした。
撮れなかった頃の私は、打球をずっと目で追いかけていました。ボールがどこへ飛ぶか見届けてから、カメラをそちらへ向ける。これだと、レンズを向け終えた頃には捕球が終わっています。
今やっているのはその逆で、見るのはボールではなく「打った瞬間」だけです。打球音、バットの角度、球の上がり方——この一瞬で、ライナーかフライか、引っ張りか逆方向かを判断する。
方向さえ決まれば、あとはボールを見ずにレンズを先回りさせられます。ボールを追うのをやめると、逆にボールに追いつけるようになる。この逆転が、守備撮影でいちばん効いた感覚でした。
⚠️ 重要ポイント:連写の前に、ピントが合ったことだけ確認する
連写はシャッターを押しっぱなしにすることではありません。守備の子にレンズを向け、ピントが合ったのを確認してから連写に入るのが理想です。AFが追いつかないまま押し続けると、全コマまとめてピンボケになります。急ぐのはレンズを向けるまで、そこから一拍だけ待つ——この順番です。
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外野フライは「外野選手にピントが合ってから」連写を始めるのが正解
外野にフライが上がったとき、「落下点に入った選手を撮ろう」と待っていると手遅れになることがあります。
フライが上がった方向にいる外野の選手をファインダー越しに探しピントが合ったら連写を始めるのがおすすめです。
連写しながら、子どもがボールを追う様子・グラブを構える姿・キャッチする瞬間を一気に記録します。
枚数が増えるぶん「当たり写真」が生まれやすくなりますし、ピントさえ合っていれば、あとからトリミングで十分見られる写真になります。
多少構図が甘くても、まずはピントを優先して切り続けてみてください。
ただ、この「先回り」は口で言うほど簡単ではありません。実際の手順はこうです。
- ピッチャーが投げる間は肉眼でプレーを見る
- 相手バッターが打った瞬間にどの方角へ飛んだかを瞬時に見極める
- ファインダー越しにその方向へカメラを向け、外野の選手を探す
- その選手にピントを合わせ、捕球体勢からキャッチまで連写で撮り切る
これを数秒でやります。正直、めちゃくちゃ大変です。しかも難易度は打球によって変わります。
高く上がった打球なら時間を確保できますが、速い打球ほど時間が短くなり、一気に難しくなる。
だから失敗もよく起きます。肉眼で打球を追っている間にシャッターチャンスを逃したり、急いで切ったせいでピントが合っていなかったり、別の選手にピントが合ったまま撮ってしまったり。
内野ゴロは今でも撮り逃す——それでも捕球〜送球が残せた日
ここは正直に書きます。内野ゴロの捕球は、10年撮っていても今なお撮り逃します。
打球から捕球までが一瞬で、シャッターチャンスがほぼ0.5秒以内のこともある。最初からうまく撮れる人は、まずいません。

梶原(管理人)
打球を見失って肝心な捕球の瞬間を撮り逃したこと、何度もあります。レンズを向けたらピントが別の子に合っていたり、やっと撮れたと思ったら全部ピンボケだったり。「悔しい!」という気持ちを何度も味わいながら、少しずつ感覚をつかんでいきました。速い打球ほど時間がないので、これはもう慣れるしかない部分だと思っています。最初からうまくいかなくて当然なんですよね。
それでも、うまく撮れる日もあります。

(撮影データ:α6600+SEL70-350G/換算525mm/SS 1/1000/連写6枚から抜粋)
別の中学公式戦での一場面です。ショートへ鋭いゴロが飛び、捕球の瞬間からスローイングのフォームが完成するまでを連続で撮影した写真です。
低い姿勢でグラブをボールに合わせる場面、捕球直後に体の向きを素早く一塁方向に変える場面、そして腕を大きく振り切って送球する場面——静止画が並ぶことで、一連のプレーの速さと力強さが伝わります。
内野ゴロはフライと違って打球から捕球までが一瞬です。打球がショート方向と判断した瞬間にレンズを向け、迷わず連写を始めるしか間に合わせる方法はありません。
この写真も、打球がショート方向と判断した瞬間にレンズを向け、ピントが合った直後からシャッターを切り続けた結果として残せました。
大事なのは、捕球の一瞬だけを狙わず、送球のフォームが完成するまで切り続けることです。
捕球を外しても、その後の送球が残る。一連の流れで撮ると、止まった一枚では伝わらない躍動感が生まれます。

梶原(管理人)
内野ゴロは本当に一瞬で、最初の頃は捕球の場面をほとんど撮れていませんでした。でも捕球〜送球まで全部つながって残せると、ただのプレー写真じゃなくて「その子が全力でプレーした記録」になる気がして。この流れを見せてあげたとき、保護者の方がすごく喜んでくれたのが印象に残っています。
同じ守備でも、外野と内野では打球から捕球までの時間がまるで違います。狙い方を分けておくと、撮れる確率が上がります。
| 項目 | 外野フライ | 内野ゴロ |
|---|---|---|
| 打球から捕球までの時間 | 比較的長い(数秒) | 非常に短い(1秒前後) |
| カメラを向けるタイミング | フライが上がった直後 | 打球方向が決まった瞬間 |
| 連写の有効性 | 高い(追跡しやすい) | 中程度(とにかく速く向ける) |
| 難易度 | やや易しい | 難しい |
内野の捕球シーンを狙うのはかなり難しく、最初からうまく撮れる人はほとんどいません。諦めずに何度も撮り続けて、感覚をつかんでいくことが大切です。
守備写真は「我が子が写らない」時間のほうが長い
ここまで書いてきて、あらためて思うことがあります。守備の撮影は、我が子が写っていない時間のほうが圧倒的に長いということです。
打球はどこへ飛ぶかわかりません。息子が守っていない方向にフライが上がれば、私はよその子にレンズを向けて連写しています。
ゆっくり我が子を応援したい気持ちを抑えながら、ファインダー越しにチーム全員の頑張りを追いかけている。
そして、この記事でいちばんの一枚——冒頭のダイビングキャッチは、息子が卒業した後に、頼まれて撮りに行った試合のものです。写っているのは我が子ですらない。
それでも私は、あの日レフトへ全力で走って飛び込んだ一部始終を残せたことを、心からよかったと思っています。

梶原(管理人)
息子が守備に出るようになった頃、1球ごとに「次はどこに飛ぶかな」とずっと集中して見ていました。気づけば観客席の保護者の中で、だれよりも試合を集中して見ているのはカメラを持つ親なんじゃないかなと思うようになりました(笑)。あとで振り返っても、その試合の記憶がすごく鮮明に残っているんですよね。
でも、だからこそ守備写真はいちばん喜ばれます。バッターボックスの写真はどの子にも回ってきますが、守備で必死に飛び込んだ一枚は、狙って撮っている人がいないと誰の手元にも残らないからです。
中学校生活の思い出は野球部の思い出。たくさんの思い出を残してくれてありがとう!これからゆっくり思い出を振り返っていくね。
——息子の同級生の保護者の方からいただいたメッセージ

梶原(管理人)
このメッセージをいただいたときは、本当に報われた気持ちになりました。カメラマン冥利に尽きますね。
守備シーンは、何度やっても難しい。それは今も感じています。それでも失敗した分だけ「次はこうしよう」が積み上がります。
まとめ:守備シーン撮影で意識したい3つのこと
守備を撮り逃さないコツは、突き詰めると「結果を見届ける前に動く」の一点です。打球を目で追うのをやめて打った瞬間だけを見る。
方向が決まったらレンズを先回りさせる。そして捕るかどうかわかる前から切り始める。
失敗を恐れずにたくさん撮って、カメラを楽しんでください。うまく撮れた一枚は、きっと誰かの宝物になります。
- ✅ 打球は目で追わず「打った瞬間」で方向を判断し、すぐレンズを先回りさせる
- ✅ 外野フライは上がった方向の選手にピントが合ったのを確認してから連写で切り続ける
- ✅ 捕球で終わらせず送球まで撮る。一連の流れが「全力でプレーした記録」になる
本記事は2026年現在の管理人の実体験に基づく内容です。カメラや機材の仕様は変更になる場合があります。最新情報はメーカー公式サイト等でご確認ください。
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